悲しいことに
雨が降らなければ
虹は出ない

雨が降って
晴れると
虹は出る

光は
いつでも
そこにあるのに

全き
闇の中でさえ
人の心に
光は灯る


隣の人の顔をよく見ようとして虫眼鏡で覗いたら
鼻の穴しか見えない

鼻の穴もその人だけれど
息を吸って
息を吐いて
そういう姿は見えない

世界を
箱庭に移し変えたら
人は蟻んこに踏み潰されてしまう

どんなに速く走れるようになっても
死んだおじいさんには
会えない

読んだ本を高く積んでも
鳥にはなれない

たくさん友達がいても
死んでいく時は
一人


『小さな男の子は虹の橋を渡っていきました』

これは
ほんの物語のはじまり

あなたのその目で
見て欲しい

朝もやを
鳥のさえずりを

心に呼びかける
センシェントな世界を

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2003-04-11

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